クラウドファンディングをアイディア着想のツールとして活用する

クラウドファンディングをアイディア着想のツールとして活用する

前回の投稿で、私がクラウドファンディングで支援したプロジェクトの紹介をしましたが、今回はクラウドファンディングの活用について、もう少し真面目に考えてみたいと思います。

前回は代表的なクラウドファンディングの運営会社としてREADYFOR株式会社を紹介しましたが、他にも多数の事業者があり、ソーシャルビジネスを検討している方で、この手の資金調達方法を知らないという方はいないと思います。

一方で、クラウドファンディングを利用して実際に支援したことがあるという方となると、どうでしょうか?

頭でっかちで、行動しない人がなんと多いことか!

非常に残念なのですが、私の周りの営利企業に勤める知り合い(生活に困窮していない人たち)で、実際に支援をしたことのある人は皆無です。また、非営利団体に関わっている方々は、非常に社会貢献への意識が高く、サイト自体も頻繁に確認されている方が多いです。しかし、ご自身の団体が非常に厳しい資金状況で運営をされていることが多く、むしろ支援を求める立場の方が多いように感じます。

数少ない支援の経験者にどのようなプロジェクトを支援したのかを聞いてみると、「知り合いから頼まれた」、「母校が困っていた」といったように、非常に身近な理由で、自分事と感じやすいきっかけからアクションにつながったようでした。

前回の記事でとりあげたプロジェクトも、私の学生時代からの友人に頼まれたことがきっかけなので、そういう意味では、私も「たまたま支援の経験がある」というグループの一人にすぎないということでしょう。

それゆえ、私自身が変わり、周りも変えていかなければという思いが強くなりました。

クラウドファンディングの仕組みをアイディア着想のツールにする

自分事と感じなければ、実際にアクションにつなげることが難しいということであれば、私の考えるべきことは、読者の皆さんにも自分事ととらえてもらう方法を考えることです。以前の記事の中で、”書店で全く異なる分野の書籍や雑誌を手に取って気づきを得る習慣”について紹介しました。

私はふらっと書店に立ち寄り、雑誌や平積みの本を手あたり次第にパラパラとめくり、これまで全く関心のなかった世界への入り口とすることを習慣としていました。

https://social-bizcreator.com/blog/2020/05/01/manabipart1/

これまで続けていたこの習慣は、書店やラジオという既存メディアのイメージや存在感に縛られ、更なる発想の飛躍への思考が停止していました。クラウドファンディングのサイトでは、あらゆるカテゴリの取り組みが紹介されており、これまで興味を持ったこともない地域や分野の活動を知ることができます。

見方を変えれば、これは書店を物色するのと何ら変わりません。それゆえ、取り組みに共感したとか、そういう大げさなことは抜きにして、まさに、書店を物色するのと同じ感覚で支援を求めるプロジェクトを見てまわるだけで、知的好奇心が激しく刺激されます。

そして、実際の支援には書籍の購入と同じくコストが発生しますので、自分事として、しっかりプロジェクトの説明を読み、自分なりに研究することになるわけです。

これは、新たな着想を得るための、自分自身の営みなので、支援へのインセンティブが働きやすいと考えられます。また、支援者にとっても、縁も所縁もない世界から支援者やってくる仕掛けであるため、社会的投資の底上げにも0.1ミリぐらいは貢献できるアイディアではないでしょうか。

ファンドレイジングとフィランソロピー

私は”ファンドレイザー”のはしくれ(いつか資格を取得した過程なんかも投稿しようかと)として”フィランソロピー”を意識しながら活動をしています。

そういう意味では、クラウドファンディングをアイディア創出のツールとしてワークショップに取り込み、単なる善意ではなく、社会貢献とビジネスの両立、すなわちソーシャルビジネスとしてとらえる教育コンテンツとするぐらいでなければと反省した次第です。