戦略的寄付とは
私が提唱する、大手民間企業による、全く新しいアプローチで社会貢献を実現するためのビジネスモデルです。
「第3回 日経ソーシャルビジネスコンテストにおいて、「戦略的寄付」のビジネスモデルが評価され、359件の応募の中から、ファイナリストに選出されました。」
日経ソーシャルビジネスコンテストとは、
ソーシャルビジネスの裾野拡大を目的として、新たな社会課題解決のビジネスアイデアを生み出す企画として始まった
https://social.nikkei.co.jp/index.html
2020年7月11日(土)に表彰式と記念シンポジウムが開催されることに先立ち、私の提案した「戦略的寄付」がアート思考を活用してどのように生まれたのかについて紹介しています。プレゼンテーションでは結果としてのビジネスモデルの説明でしかなかったですが、こちらは、そのアイディアの創出プロセスを具体的に解説していますので、起業家の方には面白い読み物かと思います。
- 【アート思考を考える #7】仮説推論的アプローチで戦略的寄付が生まれるまで(1/4)
- 【アート思考を考える #8】仮説推論的アプローチで戦略的寄付が生まれるまで(2/4)
- 【アート思考を考える #9】仮説推論的アプローチで戦略的寄付が生まれるまで(3/4)
- 【アート思考を考える #10】仮説推論的アプローチで戦略的寄付が生まれるまで(4/4)
背景
日本の国家債務が1000兆円を超える中、社会貢献活動の原資として公的資金だけに頼ることは現実的ではなくなってきています。また、相対貧困率の悪化が進む日本の経済環境下においては、大規模災害以外での個人寄付の伸びにも大きな期待ができない状況となりつつあります。
このような中、SDGsへの関心の高まりとともに、好調な業績に支えられ、ESG経営を前面に押し出す大手民間企業経営者が増加しており、民間企業主体の社会貢献活動への期待感が高まっています。
しかしながら民間企業の経営方針の柱は営利の追求であり、多くの民間企業による社会貢献は、通常の事業活動の結果として付随する貢献や、寄付により第三者に託すという消極的な形態にとどまっています。
アート思考による寄付の再定義
非営利団体にとって、寄付金は事業存続の命綱であり、また、非常に不安定な財源でもあります。一般的なファンドレイジング(資金調達)では、マーケティングや財源の多様化により財務の健全化を図ります。しかし、このアプローチでは非営利領域にイノベーションと呼べる規模の社会的インパクトを生み出すことは困難です。そこで、寄付の意味、特に、法人寄付の意味をアート思考により問い直し、寄付という行為を単なる社会貢献ではなく、営利拡大のための投資、すなわち「戦略的寄付」として「法人寄付」の意味を再定義(「法人寄付」の再発明)しました。
定義
戦略的寄付とは、企業が寄付を通して、自らの事業課題の解決につながる社会貢献事業に投資すること。また、単に託すだけでなく、課題解決のために積極的に事業に関与すること。
本来、民間企業が最も力を発揮するのは、自身の事業課題の解決に取り組む時でです。
私は、寄付を税法上有利な投資と捉えた「戦略的寄付」を通して、支援企業自身の事業課題を解決する枠組みを提案し、大手民間企業の活力を効果的に社会的インパクトへと価値変換することに挑戦しています。
詳細については、今後の投稿をご確認ください。