【働かないおじさん #6】コロナのおかげで分かった、働かないおじさんの見つけ方(1/4)

【働かないおじさん #6】コロナのおかげで分かった、働かないおじさんの見つけ方(1/4)

新型コロナの影響で、半ば強制的に始まったリモートワークですが、「ニューノーマル」の御旗のもとに、これからも働き方の一つの形として定着しそうです。このような状況を踏まえて、世間でもリモートワーク環境下における生産性の議論が活発化しています。そこで今回は、職種やポジションの観点でリモートワークが価値創造に与える影響について考えてみました。そして、偶然にも、社会貢献事業の観点ではダイヤの原石と位置付けている「働かないおじさん」を、探し出すヒントを見つけたので、それについても後半で触れたいと思います。

リモートワークで生産性が上がった?

そもそもこのテーマについて考えるきっかけとなったのは、チームメンバーからの「生産性の向上によりリソースに余裕ができたため、追加要望を受け付けられる旨、お客様に提案した。」という報告でした。余裕ができたのであれば、休暇を取るなり、別プロジェクトを支援するなり、自己啓発に取り組むなり、会社や自身にメリットがあるアクションはいくらでもあるにもかかわらず、なんてお客様目線の行動なのかと、非常に感心しました。もちろん、その後、お客様より感謝の言葉を頂き、チームや会社のプレゼンス向上に貢献するとともに、さらなるビジネス拡大につながったことは言うまでもありません。

しかし、同時に、別の部署ではリモートワークで生産性が下がったと聞くと、嬉しそうに対面の素晴らしさを語る抵抗勢力の存在や、これまでちゃんと成果を出していた人がリモートワークで仕事にならないと嘆いている姿を目の当たりにし、なぜ、このような差が生まれるのかについて気になり始めました。

そこで、リモートワークが仕事に与える影響、特に、価値創造の観点における影響について、整理してみることにしました。まずは事実を知りたいので、アート思考や仮説推論の話は横に置いて、生産性が上ったと言っている人、下がったと言いている人、アンチリモートワークの気配が漂っている人、そして、昔からリモートワークな人を見繕ってヒアリングをすることから始めました。

環境さえ整っていれば

新型コロナの流行前からリモートワークがメインで出社をしていなかった人を探せなかったので、自分自身の行動を振り返ってみました。私は帰国してからずっと週2回程度の出社で、あとはリモートワークをしていました。もともと長く海外で日本の仕事をしており、特に時差が12時間もあったチリに駐在していた時は、そもそも対面で仕事をすることが不可能な環境ですから、リモートワークが前提でした。

リモートワークのメリットは通勤時間が有効に活用できるとか、家庭の用事に対応しやすいなどが挙がられていますが、私がリモートワークを活用していた目的は、邪魔が入らず新しいコンセプトや仕組の検討に集中できる環境を得るためだったので、広いデスクと充実した文具のあるサテライトオフィスに出勤していました。そのため、新型コロナの影響でサテライトオフィスが閉鎖され、狭い机しかない自宅での作業が強要されたため、私の生産性は低下したと言えるでしょう。

次に、一人暮らしで、かなり若手の技術職メンバー聞いてみたところ、仕事の内容自体はリモートでの作業で全く問題ないが、自宅に机がなく、ソファーで終日作業すると腰が痛くて仕事どころではないとのことで、実家に一時的に帰省してリモートワークをしているようでした。これは、私の例と同じく、ちゃんと机(私の場合は広い書斎と仕事道具)が揃っていれば問題ないはずですから、リモートワークが生産性に与える本質的な課題とは単純に言えないでしょう。

次回は、生産性が上がった人のヒアリングから続けたいと思います。