【働かないおじさん #7】コロナのおかげで分かった、働かないおじさんの見つけ方(2/4)

【働かないおじさん #7】コロナのおかげで分かった、働かないおじさんの見つけ方(2/4)

早速、前回の続きである、生産性が上がったメンバーの話から始めましょう。

仕事の邪魔をする人が減る

また、生産性が上がったとの報告があったメンバーにも話を聞いたところ、もともとチームメンバーは海外拠点との連携と、リモートワークを前提とした働き方をしていた上、これまで出社を強要してきた別部署のメンバーもリモートワークを強制されたおかげで、彼らとの無駄なコミュニケーションが減少して生産性が高まったとのことでした。また、それに加えて、着手していた工程がチーム連携の少ない工程であったことも、生産性がより高まって数値に現れた理由とのことでした。

これらのことから、単独業務(作業、考察、創作)については、時間と場所に拘束される蜜結合な対面作業より、快適な環境があることが前提となりますが、コラボレーションツールを活用したリモートワークのような柔軟性のある疎結合な働き方の方が、生産性向上に寄与すると考えられます。

対面前提の職種はさすがにキツイ

更に、リモートワークで仕事にならないと嘆いている人に話を聞いてみました。彼は営業職のリーダーなのですが、とにかくお客様が会ってくれないので何も始まらないとの嘆きでした。昨今は営業支援系のサービスが続々登場し、リモートでも効果的なプレゼンテーションができたり、動画を活用した営業スタイルを組み合わせたりと、様々なアプローチができるようになっています。しかし、自社の商品やサービスをお客様に選んで頂き、売上を作ることが営業の価値創造活動である特性上、対面よりも生産性が下がることは読者の皆さんも異論はないと思います。

ただ、営業職はもともと外出先から仕事をすることに慣れていることに加え、同じ営業職とは言っても、その配下にいる提案書や報告書の作成といった営業支援が中心のメンバーについては、お客様への訪問や関係部署との調整も少ないという事があり、リモートワークによる生産性への影響はリーダのそれと比較すれば少ないようです。

管理職は仕事のスタイルが明らかに

最後に管理職数名に話を聞いたところ、リモートワークになって会議が劇的に減った人と、会議は減らず、作業負荷も高まり、つらい状況に陥っている人との2つのパターンがあるようでした。そこで、何故そのような違いが生まれるのかを検討するため、共有されているスケジュールとタスクを確認してみました。そうすると、本人がオーナーとしてファシリテートする、すなわち、会議参加者から集めた情報から付加価値を生み出す立場の会議か、情報(価値)提供者としてメインで招集がかかっている会議の数が多い人は、リモートワークとなっても会議数がほとんど減っていないようでした。

一方で、ちょっとしたことですぐに中止になる定例会議や、予定調和で形式や体裁だけの会議、自身が発言する(価値を提供する)ことがない会議が多くを占めていた管理職はリモートワークになった途端に、いわゆる無駄な会議が激減し、創造的な仕事ができる時間が確保できる傾向にあるようです。

タスク×ミーティング

このようなヒアリングと予定表の調査をしている中で、会社での役割やポジションによって、各自で抱えるべきタスクの量と、参加すべき会議の数とのバランスにある種の傾向が見られたため、それを以下の図のように整理してみました。

タスクおよびミーティングの量と役割との関係性

次回は、上記の整理を元にして、新型コロナの影響により、リモートワークが強制されるようになる、前と後のタスクやスケジュールの状況から、生産性に影響する要素を改めて確認してみます。そして、価値創造の観点から、求められる価値の質と量や、それに対する報酬についても検討してみます。そして、最後に、将来の社会貢献ビジネスのパートナーとなり得る「働かないおじさん」の見つけ方にも言及する予定です。