ZOOMの配信環境を真面目に構築してみた。

ZOOMの配信環境を真面目に構築してみた。

前回の投稿でストアカという学びのマーケットについて紹介しました。(その投稿はこちら。)ストアカでは対面とオンラインでの授業を実施することができ、このご時世ですので私はZOOMを使ったオンライでの講座を提供しています。そして、お金を頂戴することもありますし、会社でのオンライン会議の延長みたいなものでは新鮮味もありませんので、ZOOMの配信環境をアップグレードして、それなりの配信環境を整えてみました。今回はそれらの機材について紹介します。

結構本気のZOOM配信環境。Roland V-1HDを投入

パソコンに内蔵されたカメラとマイクをWebカメラやちょっと品質の良いヘッドセットに変えることで画質や音質がグッと良くなりますが、それではオンライン会議の延長に変わりなく、講座の体験を変革するまでには至りません。そこで、エクスペリエンス向上の要となるのがビデオスイッチャーです。

ビデオスイッチャーを導入することで、複数のパソコンやiPad、マイクやデジタルカメラを接続し、それらの画像や音声を合成しZOOMの映像として配信することができるようになります。私はアマチュア向けでは中堅機種のRoland V-1HDを購入しました。こだわりのカッコいいコンデンサーマイクを利用したい方は、ちょっと高くなりますが、ファンタム電源が搭載されたRoland V-1HD+でないと利用できないので注意が必要です。

世間的にはBlackmagic DesignのATEMシリーズが人気ですが、私は、Roland V-1HDに搭載されているハンドルレバーによるエフェクトの無段階調整に魅力を感じて購入しました。実際使ってみると、その操作性は抜群なのですごくお勧めできます。

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ZOOM配信ではマイクがとても重要

Roland V-1HDを前提にしたマイク選びとなり、本格的なコンデンサーマイクが利用できないことから、選択肢が限られました。しかし、それでも用途によって選ぶべきマイクが異なるため、慎重に検討する必要があります。私の場合は、プラグインパワーに対応したちゃんとしたマイクの選択肢があまりなく、オーディオテクニカのガンマイク(AT9944)にしました。(ビデオスイッチャーには、2万円を追加してカッコいいコンデンサーマイクが使える上位機種にすればよかったと、ほんのちょっとだけ後悔)

マイクの集音機能的特徴として、単一指向性、無指向性、そして、双指向性があります。特徴をざっくりと言ってしまえば、単一指向性のマイクはピンポイントで音が拾えるものの、扱いにくく、無指向性のマイクは汎用的で、双指向性のマイクはラジオ配信のような対面の状況に向いているといった感じでしょうか。私が今回購入したのは単一指向性のマイクなのですが、実際にウェビナーなどで使ってみると、ZOOMを使ったこの用途では「単一指向性」一択だと感じました。

ビデオスイッチャー(Roland V-1HD)には冷却ファンが搭載されており、思っていた以上に騒音がでます。また、ゲーム配信をされる方のようにハイスペックマシンを接続している場合、そのPCの騒音もかなりのものになります。また、オンライン会議中にキーボードのタイプ音やマウスのクリック音が気になったことがある方も多いでしょう。そして、せっかく配信環境を整えるわけですから、ヘッドセットを外して自然な映像で会話したいところですが、無指向性のマイクだと、スピーカーから出力される相手の音声をマイクが拾ってしまい、会話が成立しません。このような雑音やスピーカーの音声を拾わず、話している人の音声だけをクリアに拾うためには単一指向性のマイクが最適なのです。

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ZOOM配信に向いたカメラの選定が最難関

そして、カメラの選定ですが、これが長く険しい道のりでした。CASIOのデジカメ(EXILM)が古いものと比較的新しいものが眠っていたので意気揚々と活用してみると、なんと、撮影時に液晶ディスプレイに表示されるオードフォーカスの表示( 【 】こんな感じの表示)が、マニュアルを何度読んで、どんなに頑張っても消えないのです。仕方がないのでCASIOに問い合わせたところ、あっさりと、「消すとこができません」と。。。最新のハイエンドデジカメだと、HDMIパススルーなる、変なディスプレイ表示なしで外部出力できるようですが、Webカメラの用途だけでそれを購入するほどの浪費癖はありません。

それでは、デジカメではなくビデオカメラはどうだということで、GoProを投入するも、コンパクトアクションカメラにはズーム機能がなく、また、微妙に魚眼なのでちょうどよい構図に調整することができません。

ようやくiPhoneにたどり着くもアプリも大変

そこで大昔から数えきれないくらい乗り換えてきたiPhoneの中から、iPhone6 Plus がそこそこ動きそうだったので、そのリアカメラを活用することにしました。最新のiPhoneと比較しても、Webカメラとして固定して利用する分には、広角も望遠も手振れ補正も不要なので、それほど違いもなく、そんじょそこらのWebカメラなんぞには負けないとの判断でした。

CASIOのデジカメの時と同じで、標準のカメラアプリではシャッターボタンや設定メニューがそのままZOOMの画面に表示されてしまうので、鏡アプリを活用することにしました。鏡アプリはシンプルにカメラの画像を全画面表示するだけなので、ZOOMのカメラとしてはばっちりです。

あっ、そうそう、iPhoneをWebカメラにできるアプリなんてたくさんあるよーと思われるかもしれませんが、それらのアプリはワイヤレスでPCに画像を取り込み、それをカメラ入力として利用するのですが、それではビデオスイッチャーに入力して、画像を合成したりという高度な使い方ができないのです。要するに、素直にプレーンな画像をビデオスイッチャーに入力する仕組みが必要というわけです。

鏡アプリは山ほどあれど、iPhone6で想定通りに動作する鏡アプリが意外と見当たらないのです。最初にたどり着いたのは「Mirror Deluex」というアプリでした。これはiPhone11では期待どりの動作をしました。余計なボタン表示がなく、iPhoneを横に向けるとミラー画像も横向きにローテーションします。(この機能が意外と実装されていないのです。)ようやくたどり着いたと思い、iPhone6にインストールし、カメラとして横向きに設置してみると、悲しいかな、iPhone6の画面上では横向き表示となっているのですが、Lightning端子経由でHDMI出力すると、その画面は縦向きのままになっているではないですか!これでは全く意味がない。

そこで、またしてもアプリ探しの旅に出て、10本目のダウンロードでようやく「True Visage」に巡り合いました。フロントカメラとリアカメラの両方を利用でき、左右反転など様々な機能がありつつ、メニュー表示は1秒ほどでスッと消えるという完璧な作りです。私にとってはこれぞ「神アプリ」との出会いでした。

最後に出力モニター用のディスプレイ

ビデオスイッチャーを使って4系統の映像入力を組み合わせてZOOMのカメラ映像として配信します。それらの映像をどのように切り替えたり、組み合わせたりするのかを考えるために、入力映像をモニタリングするためのデイスプレイが必須です。一昔前では考えられませんが、解像度が高いモバイルディスプレイが1万円台で買える時代になりました。Windows使いの方や、Mac使いでもiPadでサイドカーができない方は、外出先でのセカンドディスプレイとしても使えますので1台持っていても悪くないと思います。

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まとめ

ストアカの先生を始めてみようということから始まったZOOM配信環境の構築でしたが、単純なPCの入出力周りの設定だけでなく、ライブ配信ソフトウェアのOBSと連携させる際のノウハウ、また、映像切り替えができることを前提とした背景画像やプレゼン資料のレイアウトなど、これまで全く気にもしていたかった観点でセミナーやプレゼンテーションを考える、とても良い機会となりました。皆さんも、ワンランク上の情報配信に挑戦してみませんか?

仮住まいの配信環境。引越しするまで超狭い。。。