ゴルフは経営者育成のためのトレーニングである(フラクタルの観点で考えてみる)

ゴルフは経営者育成のためのトレーニングである(フラクタルの観点で考えてみる)

このようなタイトルを見ると、ゴルフ好きのおじさんが、必死で言い訳をしているように感じるかもしれません。実際にその側面がないとは言いませんが、今回は、私が新たな着想を得ようとする際に、あらゆるものとの「差」に着目するようになったきっかけである、「フラクタル」を起点に、ゴルフと企業経営との類似点についてお話しようと思います。

「差」の認識については過去のこちらの記事を。

違う世界を知ることは、自分の世界との違いを意識できる機会であり、また、自分の世界をより深く理解できる機会だと考えています。

https://social-bizcreator.com/blog/2020/05/01/manabipart1/

フラクタルって何だ?

まずはフラクタルについてですが、ウィキペディアによるとこんな感じです。

フラクタルの特徴は直感的には理解できるものの、数学的に厳密に定義するのは非常に難しい。マンデルブロはフラクタルを「ハウスドルフ次元位相次元を厳密に上回るような集合」と定義した。

https://ja.wikipedia.org/wiki/フラクタル

全く分かりませんね。こういったイメージならどうでしょうか?壁紙画像やスクリーンセイバーで見覚えがあるのではないでしょうか?

フラクタルな例

具体的なものでいうと、アンモナイトの殻、樹木の枝ぶり、リアス式海外の海岸線など、リアルにフラクタルなものは多く存在しています。

私は学生時代に情報理論の研究しており、その中で情報エントロピーについて学ぶのですが、そこで初めてフラクタルという概念に出合いました。私の中でフラクタルとは、「完全ではない自己相似形であり、異なる同種を比較すると、それがどの種類なのかが分かるレベルで相似である。」と受け入れました。

樹木の枝ぶりを例に挙げると、イチョウにはイチョウの枝ぶりがあり、異なるイチョウでも、その枝ぶりを見ればイチョウであるとわかり、桜や楓のそれとは違うということが理解できます。それぞれのイチョウの枝ぶりは、完全な相似ではないのですが、ほかの樹木との違いが分かる程度には相似ということです。

実は、何もかもがフラクタルなのでは?

社会人として駆け出しのころに読んだ書籍で、市場の仕組みを、株式のチャートから、フラクタルに読み解いた、「禁断の市場」は、実はこの世のすべてがフラクタルなのではないか?と思わせるほど衝撃を受けたことを覚えています。

禁断の市場 フラクタルでみるリスクとリターン

ゴルフと経営の本質はフラクタル

さて、ゴルフと経営の自己相似性について考えてみましょう。

ゴルフコースとマーケット

経営においては、それぞれがターゲットするマーケットを正確に把握する必要があります。人造物であるマーケットには様々な規則や法則が存在します。しかし、生き物のように日々変化し、経営者自身ではコントロールすることができません。マーケットの変化に合わせて、臨機応変に舵取りする柔軟性が求められます。

ゴルフコースとは、ルールや制約の中で作られた人造物でありながら、大自然の影響を受け、同じコンディションでプレイできることは二度とありません。天候や動植物はプレイヤーにはコントロールできず何が起こるかわからないため、状況に合わせて臨機応変にプレーしなければなりません。ゴルファーにとってのコースは、経営者にとってのマーケットと同じなのです。

バングラデシュではフェアウェイを鹿の群れが横切る。

ゴルフ道具と商品/サービス

経営者は、適切な商品やサービス(商材)を、適切に市場に投入しなければなりません。商材は自社製品である必要はなく、自社の能力に合わせて仕入れて販売することも可能性です。自社の販売能力に合わせた商品選定が必要ですし、販売力強化のための人材育成も必要となります。

ゴルフ道具においてはどうでしょうか?

プロが使っている道具を使えば、プロのようなスコアが出るわけではありません。また、14本のクラブは状況に応じて使い分けが必要ですが、コースのコンディションと使い手の技量により、どのクラブを投入するべきかは変わってきます。まさに、マーケット状況と企業の能力に応じて商材の選択が重要であるのと同様で、自身の能力開発の重要性もフラクタルです。

スコアと業績

企業それぞれが設定した利益を目指し、全力を注ぐことは、経営者としては外すことができない所作の一つです。そして、その過程では、目標に対する着地がギリギリとなれば、安全な戦術に舵を切りますし、達成への乖離が大きければ、大きめのリスクをとる判断もあるでしょう。もちろん、利益追求に傾倒しすぎることは、サステナビリティの観点から不適切であることには触れておきます。

ゴルフについても、18ホールという決められた枠の中で、それぞれのベストスコアを目指し、スキルの限りを尽くしてその達成に挑戦します。目標達成が見えてくれば、ドライバーを握らず安全な攻め方をするかもしれませんし、逆に、普段は狙わない池越えのリスクをとって、目標達成を目指すかもしれません。

ゴルフは経営者育成のための筋トレ

「ゴルフって仕事の役に立ちますか?」という若者の質問は昔からよく聞かれます。私自身も新米の時に先輩方に尋ねた記憶がありますが、「人脈が広がる」とか「お客様と1日一緒に話ができるのはゴルフぐらい」とか、当時の私にはピンこず、また、お金もなかったのでおじさんになるまで、始めることはありませんでした。

しかし、海外暮らしで安価にゴルフがプレーできるようになり、プレー数が年間100ラウンドを超えるほどやり込んだ今なら言えます。「経営のトレーニングとしての趣味」と位置付けると、かなり仕事の役に立ちます。

また、海外では歩きでのプレーが多く、1ラウンドで8キロぐらいは自然の中を歩くため、健康にも非常によかったのです。最近は日本でも安価にプレーできるようになり、中古クラブの流通も盛んなので、生涯スポーツとしてもかなりおすすめです。

健康以上に大事なものって、そんなにないですよね?

マージャンについても、ビジネスパーソンとしての筋トレととらえていますので、またの機会に投稿します。