【ゼロから学ぶXR技術 #2】 アバターでリモートワーク
今回の投稿ではXR技術の検証にはWindowsマシンが必須となることから、PC購入までの道のりを書く予定でした。しかし、リモートワークが浸透し始め、オンライン飲み会も認知され始めてきた折、ある会議にアバターで参加したところ、その実現方法に関心を持つ人が非常に多かったため、急遽、このテーマで投稿することにしました。
私は2018年まで南米のチリに駐在し、日本の仕事をしていました。物理的には17,000キロ以上離れているわけで、リモートワークが前提です。同業の友人たちも世界各国に駐在していたため、一時帰国した時の飲み会では、戻れなかった人はオンラインで飲み会に参加したものでした。
帰国後はテレワーク(和製英語)の制度はあるものの、「働かないおじさん」に代表される反対勢力が大勢を占め、ほとんど実施されることはありませんでした。しかし、幸か不幸か、コロナウイルスの広がりをきっかけに、反対勢力も強制的にリモートワークによる働き方変革が求められています。
「働かないおじさん」の生産性が下がる、もしくは、もともと生産していないことが表面化するのは、多くのメディアでも取り上げられていますが、想定外だったのが、オンライン飲み会を積極的に開催している「働かないおじさん」が相当数いるらしいということです。
やはり、「働けない」わけではなく、「働かないおじさん」は、やりたいことはキッチリできるのだと、改めて、彼らのポテンシャルを認識しました。
そこで、もう一歩踏み込んで、オンライン飲み会を楽しみながら、XR技術に触れてもらうために、Zoomを使った、アバターによるオンライン飲み会の実現方法について取り上げます。
毎度のことですが、本ブログは、読者に気づきを提供することを目的としていますので、具体的な設定手順などは、キーワドからご自身でお探しください。
1. パソコンを用意する
Webカメラが付いているWindowsパソコンを用意します。XR技術を満喫するなら、ゲーミングPCと呼ばれるカテゴリのエントリーレベルのパソコンをお勧めします。Macでもやってみましたが、ハードルは高めです。
2. FaceRigを購入する
FaceRigというソフトを購入します。(私はSteam(有名なソフトウェア販売のプラットフォームです。)で1,480円で購入。キャンペーンで安くなったりすることもあるようです。)
3. FaceRigを設定する
起動して利用したいアバターを選択します。様々な設定ができますが、知り合いとのオンライン飲み会を成功させるだけであれば、表情をトラッキングしてアバターに反映させる(Tracking)ことと、カメラ画像を会議システムに流し込む(Broadcast)設定ぐらいで十分です。
4. Zoomを設定する
オンライン会議ソフトのZoomを必要に応じてインストールし、起動します。そして、カメラの設定で「FaceRing Virtual Camera」を選択します。これだけでアバターとなって会議や飲み会に参加できているはずです。
5. 楽しむ
せっかくなので気分に応じて、Zoomのバーチャル背景を変更しましょう。こちらの画像は、昼間からオープンエアーでビールを楽しむ雰囲気で、ミュンヘンのビアガーデンを設定してみました。アバターもあちらの方っぽいもので、しっかりとなりきりました。
いかがでしたか?本当に簡単ですよね。
今回はライトにXR技術を体感してもらうきっかけにしてほしかったので、物足りない読者もいたかもしれません。今後の投稿では、ちゃんとOpenCVやDlibを活用したAIによる顔器官判定や頭部位置推定の実装、そして、その結果を自作のVRモデルに反映する方法なども少しづつ書いていきたいと思います。