【働かないおじさん #1】 ソーシャルビジネスでは彼らはダイヤの原石だった
新シリーズ「働かないおじさん」の第1回目です、このサイトで最も注力するテーマの1つとなりますので、今後の展開を楽しみにしてください。
さて、最近、「働かないおじさん」というワードで、企業に勤める成果の出ない40代、50台の男性社員について、ネガティブに語られるのをよく聞くようになりました。ひと昔は「窓際族」と呼ばれたり、若者たちの間では、最近「妖精さん」と呼ばれたりもするようです。いずれの呼び方も、彼らを疎ましく思うニュアンスがあり、社会悪として捉えています。
有識者の見解も建設的でないものが多いように見受けられます。例えば、日本の終身雇用の歴史と企業文化から、「働かないおじさん」の発生メカニズムを解き明かし、課題提起で終わるパターンや、若者視点で、いかにして「働かないおじさん」からの被害を免れるかといったノウハウを提供するタイプ、はたまた、テレワークで「働かないおじさん」はどんどんあぶり出されて、黒字リストラに追い込まれると危機感を煽るといったものです。
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このように、世間の目は厳しいですが、私は新人教育と「働かないおじさん」の指導を同時に実施するなかで、「働かないおじさん」の高いポテンシャルを感じざるを得ませんでした。新人はいかに優秀でやる気があっても、手取り足取り、社会人の基本から指導が必要ですし、そもそも、経験のないことはできません。
一方で、「働かないおじさん」は、社会人としてはベテランなので、マナーなど教える必要はありませんし、そもそも仕事については、彼らはできるにも関わらず、故意に手を抜いているのです。すなわち、やる気にさせることさえできれば、相当な即戦力となりうるのです。(私の中で、「働かないおじさん」と「働けないおじさん」は明確に区別しています。シリーズの中で触れる予定です。)
そこで、世間からは社会悪のように扱われている彼らを、活性化させること自体が社会課題の解決となるわけですが、ソーシャルビジネスでイノベーションを目指す私としては、彼らを社会起業家に仕立てるという無理難題にチャレンジしています。
具体的には、「働かないおじさん」を研究し、適切な能力開発プログラムを開発することで、社会起業家として育成します。そして、人生100年時代の豊かなセカンドキャリアの足掛かりを築くため、副業として事業運営の経験を積んでもらうプログラムを実施しています。
この取り組みの動機ですが、ある時、ソーシャルビジネスの担い手として、この年齢層こそダイヤの原石であるこに気が付き、働かない彼らが働くことで、市場創造型のイノベーションに至る可能性を感じたからです。詳しくはこのシリーズで触れる予定です。
また、現在「働かないおじさんとイノベーション」というタイトルで書籍を執筆中なので、その紹介の中でも触れたいと思います。